4年間の学び

  1. 4年間の学び

情報エレクトロニクス学科での学び

情報エレクトロニクス学科で,みなさんは,情報科学の基礎から応用までを丁寧に学び,さらに様々な分野の最先端の情報技術を学ぶことができます。
情報科学は,先端の科学技術を相手にする学問であり,世界的な研究,企業,社会と深く関わっています。そのために科学・技術の現場で即戦力として活躍できる人材を目指し,外国語,一般教養など,その後の研究活動や社会人としての能力を高めるプログラムがそろっています。
また先輩や友人など様々な出会いとネットワークがここにはあります。みなさんは,勉学・研究だけでなく部活・サークルなどを通じ,チームワークやコラボレーションなどさまざまな自己研鑽をすることができるのです。

総合入試(理系)(前期日程)

学部別入試(後期日程)

北海道大学

1
学年

「基礎を学び,感性や人間性を磨く」

  • 1年次の間,「総合教育部」に所属して全学教育科目(教養科目,基礎科目)を履修し,理系科目を中心に幅広い分野を学びます。
  • さまざまな人との出会いを通じて,多様な文化や考え方に触れ,自らの感性や人間性を磨き,豊かな創造力を養います。

4月:入学

全学教育科目
教養:
情報学,統計学,英語,外国語,環境と人間,思索と言語など
基礎:
数学,物理学,化学,生物学,地球惑星科学,実験など

工学部情報エレクトロニクス学科230名/1学年(計590名)
※2024年度入学者から定員を50名増員

2
学年

「自らの知識探求領域を絞り込んでいく」

  • それぞれのコースに所属し,専門教育を受けます。
  • 学科共通科目では専門科目の基礎を学び,幅広い知識と視野を身につけます。

4月:学部・学科等への移行

総合入試(前期日程)で入学した学生は,2年次進級時に学部・学科等が決定されます。学部別入試(後期日程)で入学した学生は,2年次進級時に学科等が決定されます。工学部情報エレクトロニクス学科においては,5コースが受入れ単位となります。

学科共通科目

電子デバイス工学,電磁気学,電気回路,情報数学,信号処理,計算機プログラミングなど

3
学年

「問題を発見し,解決する力を養う」

  • これまでの基礎知識をベースに,授業,実験,演習といったより専門的な教育を受け専門性を深めます。
  • 研究室の教員や先輩から指導を受けながら仲間と議論し,自ら問題を発見し解決する力を養います。

後期:コース内各研究室配属(4学年からの年もあります)

コースごとの専門科目,演習

情報理工学コース :複合情報工学,情報モデル論など
電気電子工学コース :集積回路工学,量子力学,半導体デバイス工学など
生体情報コース :生命情報学,細胞生物学など
メディアネットワークコース :言語メディア,サイバーコミュニケーションなど
電気制御システムコース :システムデザイン,ロボティクスなど

4
学年

卒業研究

「幅広い知識と視野を身につけ,社会に役立つ技術者として卒業」

  • 研究室でのゼミや研究を行い,卒業研究をまとめる中で問題発見・解決の能力を高めます。
  • 情報化社会発展の基盤となる情報科学とエレクトロニクスの基礎を,広い視野から,かつ深く学びます。

後期:卒業論文執筆・発表
3月:卒業

総合入試(前期日程)で入学した学生は,2年次進級時に学部・学科等が決定されます。学部別入試(後期日程)で入学した学生は,2年次進級時に学科等が決定されます。工学部情報エレクトロニクス学科においては,5コースが受入れ単位となります。

80%
進学

大学院情報科学院では,情報科学技術分野の高度化に対応できる人材を育成するために,学部5コース制に対応した5コース制をとり,学部教育と大学院教育をシームレスに接続する教育システムを採用しています。

就職:10-20%

北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科

  • 情報理工学コース
  • 電気電子工学コース
  • 生体情報コース
  • メディアネットワークコース
  • 電気制御システムコース

北海道大学大学院情報科学院

  • 情報理工学コース
  • 情報エレクトロニクスコース
  • 生命人間情報科学コース
  • メディアネットワークコース
  • システム情報科学コース

修士課程196名/1学年(計392名)

20%
進学

「さらなるステップアップをはかる」

  • 4年間の学部教育で学んだ情報科学の基礎をベースに,大学院(修士課程・博士後期課程)では,先端的な学識と鋭い判断力を身につけ,現代社会をリードする技術者・研究者を目指して学びます。

就職:80%

博士後期課程43名/1学年(計129名)

「博士後期課程終了後は,社会に出て幅広く活躍」

  • 大学院で修得した専門知識や技術を活かしながら,企業,研究機関,大学などで活躍します。

Student Voice

工学部情報エレクトロニクス学科・大学院情報科学院の学生の声をご紹介します。

効率的に答えを導くためのアイディア力が磨かれます

プログラミングを用いて、瓶に入った降順に並んでいるボールを、より少ない回数で昇順に並び替えるアルゴリズムについて研究しています。プログラミングに必要なのはコードを書く技能だけではありません。答えを導くために、最も効率的な方法や手順を考察することもとても重要です。私は研究を通してプログラミングの知識・技術はもちろん、物事を多角的に見る力や柔軟な思考力も磨くことができたと思います。

情報エレクトロニクス学科情報理工学コース4年 
村上俊太郎さん[宮城県仙台南高校出身]大規模知識処理研究室

人の気持ちを考えることはシステム開発においても重要

アルゴリズムに対して否定的な評価をしてしまう「アルゴリズム嫌悪」という現象について研究しています。かわいい女の子や無機質な人型ロボットなど、外見や声を異なるアバターが提供する情報への信頼感の違いを調査し、論文にまとめました。新しいシステムが生まれても、人に信頼され使ってもらえなければ意味がありません。卒業後はシステムエンジニアとしてユーザ心理をきちんと把握し、安心して使ってもらえるシステムを作りたいです。

情報科学専攻情報理工学コース修士課程2年 
青木美春さん[フェリス女学院高校出身]ヒューマンコンピュータインタラクション研究室

量子ドットの大きな可能性に探求心がくすぐられます

さまざまな分野で利用されている、数ナノメートルサイズの微小な半導体の結晶「量子ドット」。私は量子ドットを自分で作り、その評価を行ってます。量子ドットは密度が高ければ高いほど、消費エネルギーが格段に少ない高性能なLEDや高速通信を可能にするレーザを実現できます。大きな可能性を持つデバイス材料を自分の手で作り出せること、その試料がどのような性質を持っているかを考え、新たな発見を得ることにいつもわくわくしています。

情報エレクトロニクス学科電気電子工学コース4年 
森田彩乃さん[茨城県立竹園高校出身]電子材料学研究室

磁石を使った新技術で次世代のデバイスをつくる

現在、半導体は数ナノメートルまで小さくなり、微細化の限界が近づいています。そこで注目されているのが、微細化とは異なる手法で従前のエレクトロニクスをさらに発展させる「スピントロニクス」です。これは電子が持つ磁石の性質(スピン)を利用した技術で、私は特に「MRAM」という磁石を用いて高速かつ低消費電力のデバイスを作っています。研究で培った知識や経験を活かし、卒業後も最先端技術を駆使したモノづくりに携わりたいです。

情報科学専攻情報エレクトロニクスコース修士課程1年 
森田大夢さん[仙台高等専門学校出身]ナノ電子デバイス学研究室

答えを自分で創り出すことが研究の面白さだと思います

組織に電流を流したときの細胞反応や電界に対する細胞の変化を研究しています。立体的な構造をもつ生体組織に電流を流しながら顕微鏡で観察するこの実験方法は、世界でも前例がありません。未開拓の現象を研究しているので、どのように定義し解釈するかがとても難しい半面、全て自分で創り上げていく面白さも感じています。まだ遠い未来になりますがこの研究が実用化され、大きな手術をしなくても疾患を治せるような日が早く来てほしいです。

情報科学院情報科学専攻生体情報工学コース修士課程2年 
小野実央さん[福島県立磐城高校出身]細胞生物工学研究室

脳のメカニズムを解明して病を治す手助けがしたい

子どもの頃、身体の不自由な人が身近にいた経験から、興味を持ち始めた医療の世界。その後パワーアシストスーツや遠隔手術といった、医療と工学を融合させた「生体医工学」の存在を知ってこの分野に進学しました。現在はマウスの脳に電気刺激を与え、脳や神経にどのような変化があるのかを研究しています。子どものころに抱いた「人を助けたい」という気持ちを忘れずに脳研究を続けて、難病の原因解明や新しい治療法の開発に貢献していきます。

情報エレクトロニクス学科生体情報コース4年 
川勝考基さん[舞鶴工業高等専門学校出身]神経制御工学研究室

ゲームで体験した感動を次は作り手となって届けたい

高校生のときに昔のゲーム映像を見て、いかに現代のグラフィックが進化しているかに驚き、CGに興味を持ちました。今は画像に写ったゼリーや牛乳などの半透明物体の質感を推定し、CGで再現する研究をしています。リアルな光の反射や質感を表現するのは難しいですが、思い描いていたものが出来上がった瞬間は何より嬉しいです。将来はゲーム業界に就職し、高速通信とグラフィックの美しさ両方を叶えるゲーム開発に携わりたいです。

情報エレクトロニクス学科メディアネットワークコース4年 
鈴木りえるさん[北海道札幌北高校出身]情報メディア環境学研究室

まだ見ぬ6G実現のために無線通信の限界に挑む

2030年をめどに導入される予定の6G。100Gbpsを超える超高速通信を実現するために非常に高い周波数の電波を用いることが検討されていますが、基地局と端末の間に障害物があると通信が不安定になってしまうという課題があります。そこで「IRS」という反射板を用いて電波の反射を制御し、安定した通信の実現を目指すのが私の研究内容です。世界各国で研究開発が進む6Gの実現に役立てることが、研究への糧となっています。

情報科学院情報科学専攻メディアネットワークコース修士課程1年 
田所柊人さん[北海道札幌西高校出身]インテリジェント情報通信研究室

人々の健康を守るためにAR技術で手術を支援

ARを用いた腹腔鏡手術のナビゲーションシステムの開発を行っています。腹腔鏡手術は内視鏡を腹腔内に挿入し、モニターの映像を見ながら行う手術です。直接術部が確認できないため、医師に高い技術が求められます。私が開発しているシステムは手術器機が接触したときの臓器の変形をARで可視化し、医師の判断や手技をサポートすることができます。研究を通して人々の健康を守ることに貢献できることが、何よりのやりがいです。

情報科学院情報科学専攻システム情報科学コース修士課程2年 
澁谷沙也華さん[北海道札幌北高校出身]知能ロボットシステム研究室

働く人の苦労を軽減するシステムを創りたい

コンピュータ上で生成された3次元形状の解析を行う研究をしています。3次元形状とは模型のようなもので、同じ形や左右対称な部分を見つけるシステムを開発することで、製品を製造する課程で多くの手間が省けたり、コストを削減することができます。一見シンプルな問題を解決するだけで、多くの恩恵を得られる応用力の高さに面白みを感じています。将来はシステムエンジニアになって、人の手助けとなるシステムを創り続けたいです。

情報エレクトロニクス学科電気制御システムコース4年 
中田蓮さん[北海道北高校出身]ディジタル幾何処理工学研究室

※所属、内容は取材時のものです。