現代の高度情報社会においては,人間の知識・感覚・身体の特性及び社会性に配慮された,快適・便利で安全・安心な情報システムを,科学の発展と社会の変化に合わせて,短期間で効率良く確実に実現することが要求されています。
情報エレクトロニクス学科は,そのような要求に応える情報ネットワークと情報システムならびにその中核となるコンピュータ・ソフトウェアとハードウェアの研究・技術開発を行う人材の育成を目的としています。
コンピュータ、インターネット、ソーシャルメディア、人工知能、ロボット…。情報システムは、人と人、人と機械、機械と機械が、知識を共有し仕事を分担する方法を変革しています。それを支えるハードウェアとソフトウェアを創出し、人を豊かにする情報サービスとして提供する技術は重要です。
特にソフトウェアと情報サービスを中心に、情報の科学(理学)・技術(工学)の基礎と応用を学び、国際的に活躍できる人材をめざします。理学的な科目では、専門分化した情報科学の膨大な知識を体系的に理解できます。工学的な科目では、新たな価値を創造するための革新技術を身に付けます。
携帯電話をはじめ自動車や家電製品など、さまざまなところにコンピュータや通信機器が利用されています。これらの機器は、技術革新によって小型化・高速化・高機能化がなされてきました。これからのエレクトロニクスは、利便性の追求だけではなく、安全性を高め環境を守るように進化させていく必要があります。
エレクトロニクスは、単原子・単分子・単電子を制御して新しい機能発見を目指す「ナノエレクトロニクス」、電子のスピンを利用する「スピントロニクス」、光子の特徴を利用した「光エレクトロニクス」、生物や化学の分野との融合を目指す「分子・バイオエレクトロニクス」などの側面を持っているため、多彩な専門科目を学びます。電気電子工学を中心とした幅広い知識と応用技術を身に付けた、エレクトロニクスの専門家を育成します。
21世紀に入り、人を始めとする様々な生物に関する理解が急速に深まっています。これを背景に、人類が持続的に健康で豊かな生活を送るための生命・人間を中心とする新たな科学技術の創成と発展・応用を実現し、生命・人間の新たな時代を創造します。
発展の目覚ましいコンピュータ技術、ナノテクノロジー、生命科学の融合科学技術領域は、生命、特に人間を中心とする新領域として飛躍的発展が期待されています。本コースは、このような社会的要請に応えるため、情報エレクトロニクスの先端技術を駆使し、生命・人間・医療にかかわる科学技術産業の発展に中心的役割を担うことができる創造性豊かな人材の育成を目指します。
今日の世界は、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)が産業、環境、文化、教育など、人間のあらゆる活動分野の基礎となっています。携帯電話、インターネット、光通信、コンピュータゲーム、電子政府など多くの実用例があり、急速かつ劇的な発展を続けるICTは、未来の社会を左右する重要な研究テーマを追求します。
「Information」の表現である、声、文字、画像などのメディア情報処理、「Communication」を行うモバイルネットワーク、光ネットワークの構成技術などについて、科学的な基礎理論から工学的な最新応用技術まで幅広く学ぶコースです。目指しているのは、生活のさまざまな場面で役立つ新しいテクノロジーの創出です。幅広い能力を習得した後、メディアネットワーク実験で実践力を身に付け、卒業研究で問題解決能力を養うことで、科学的な基礎理論から工学的な最新応用技術にわたる幅広い能力を持った人材の育成を目指しています。
人型ロボットやGPSシステム、ハイブリッドカー、リニアモーターカーなど、現代を代表する技術では、個々の構成要素の性能・品質はもちろん、これらをいかに組み合わせて最適化させるかが大きなポイントです。電気・情報系と機械系を高度に統合するための研究・開発が重要視されている現在、あらたな電気・情報系と機械系の融合システムを総合的に構築することを目指します。
環境にやさしいエネルギーの実用化、災害による被害の最小化、人間と技術との協調……このようなシステムを創成し、安全で豊かな社会を実現するために、本コースでは、多様なシステムを総合的にとらえるジェネラリストの能力と、各システムに精通したスペシャリストの能力を養います。